幽霊人命救助隊 [本]
高野和明は、以前「ジェノサイド」を紹介しましたが、
http://furafura-life.blog.so-net.ne.jp/2014-01-27
今回紹介する「幽霊人命救助隊」は、ビックリするぐらい作風が違っています。
浪人生の高岡裕一は、気が付いたら崖を登っていた。
いったい、この崖はいつになったら登り切れるのだろう・・・
そして、苦労して崖の上にたどり着いたら、そこには謎の3人の男女がいた。
年老いたヤクザ・気の小さい中年・気難しそうな若い女。
どうやら自分は自殺してしまったらしい。
崖の上は、地上と天国の中間点。
そこにいきなり神が現れ、こう言った。
「地上に戻って、自殺志願者100人の命を救え」・・・
幽霊となった4人が、現世の東京に舞い戻り、自殺志願者を救う話ですが、
この「幽霊」という設定が、物語をすこぶる面白くしています。
幽霊なので、現世の人々からは姿が見えず、物に干渉することもできない。
(落ちている空き缶さえ拾うことができない)
幽霊専用のハイテク機器で自殺志願者を探し出すことはできるが、
実際にどうやって救出するかというと・・・
実際の救出方法は物語の核心に触れてしまうので書けませんが、
死んだ時代が違う4人の会話が、微妙にズレていたりして、思わず笑ってしまいます。
一番若い裕一からすると、他の3人の言葉が「死語」だったりします。
逆に他の3人は、現代の東京は慣れなかったりします。
あっと驚く救出劇ありで、思わず救助隊隊を応援したくなってしまいます。
かなり長い作品ですが、一気に読んでしまいました。
そして最後に、例えどんなつらい状況になろうと、
生きていることに感謝せずにはいられなくなりました。
楽しめながらも、生きる勇気が湧いてくる作品でした。
あまり考えずに、気軽に読めるのでおススメの1冊です。
タグ:高野和明
今生きていることに感謝しながら読みたい本ですね。
by PENGUIN (2014-04-24 15:56)
>PENGUINさん
あまり重たい内容ではないのですが、最後には感動できる佳作でした。
by つぼっち (2014-04-24 23:25)