SSブログ

四十日と四十夜のメルヘン [本]

四十日と四十夜のメルヘン.jpg
普通、小説って何回か読めば読むほど、内容がつかめてくるものだと思います。
しかし、中にはそうもいかないものもあります。
青木淳悟の「四十日と四十夜のメルヘン」も、そんな作品だと思います。
表題作と、「クレーターのほとりで」の2編を収録。

「四十日と四十夜のメルヘン」
この作品は、ほんとに分からないことが多すぎる。。。
作中の「わたし」は、チラシ配りで生計を立てていますが、とあるきっかけで日記をつけ始めます。
しかし、日記は7月4日(金)から7月7日(月)までの4日間で終わってしまい、
なぜかまた7月4日から書き直すという、ヘンテコな設定になっています。
同じ日の出来事を繰り返し書くことによって、新たな事実がどんどん分かっていくわけですが。。。
この作品をさらに難しくしているのは、作中作であるメルヘンの存在。
「わたし」は日記の他に、余ったチラシの裏にメルヘンを書き始めます。
そして、日記は決して先に進まないけど、メルヘンの方はどんどん先へ進んでいきます。
この2つの時間軸が合っていないのに、ある部分ではリンクしていたりして、
読んでいる自分が一体どこにいるのか、思わず立ち位置を見失ってしまいそうになります。
解説にもあるように、「正解」が無いのがこの作品の凄いところだと思います。

「クレーターのほとりで」
人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)の始まりについての話。
前半と後半に分かれていますが、その飛躍っぷりが凄いです。
最初とは全然違う方向に話が進んでいって。。。
最後のオチには思わず力が抜けてしまいました。
「これが言いたかったのかよ!」とツッコまずにはいられない爽快さです。

世の中のすべての事柄に「正解」なんてないんじゃないか・・・?
そう思わせてくれる作品でした。
タグ:青木淳悟
nice!(7)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 7

コメント 2

副委員長

難しいなぁ[考えてる顔]
正解は無いですよね。でも間違いだとも言えない。
時間は過ぎていきます[時計]
正解「だった」と思うようにして生きようと思います[ほっとした顔](でもきっと後悔すること多数[冷や汗])
by 副委員長 (2010-08-11 18:54) 

つぼっち

>副委員長さん
正解なんて無いからいいのかもしれませんね!
by つぼっち (2010-08-26 23:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

姫島~西大橋オバケのQ太郎 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。