神去なあなあ日常 [本]
三重県の山奥にある「神去(かむさり)村」。
とある事情により、横浜育ちの18歳・平野勇気は高校を卒業すると同時に、
いきなり神去村で林業に携わることになってしまう。。。
三浦しをん作品ということで、架空の町を舞台にしていること、
「仕事」を題材にしていることは、「まほろ駅前」シリーズに通じるところもあります。
この作品の魅力は、なんと言っても神去村の人々の温かさにあるのではないでしょうか。
タイトルの「なあなあ」は、神去弁で「ゆっくり行こう」、「まあ落ち着け」というようなニュアンスですが、
拡大解釈して何にでも使えるような言葉です。
「なあなあな」(いいお日和ですね)
「ほんにな」(本当ですね)
こんな会話になるわけですが、神去弁の特徴は、語尾に「な」が付くこと。
神去の人は「なあなあ」な日常を送っているわけですが、
都会と違って急ぐこともほとんどありません。
この作品では林業の素晴らしさを描くだけではなく、
地方なら避けて通ることのできない少子高齢化といった問題も描かれています。
それでも伝統を受け継ぎながら、自然と一緒に暮らしている人達がいる。
都会に住んでいるとなかなか分からないことを気付かせてくれます。
ほっこりしたいときにおススメの一冊でした。
タグ:三浦しをん
こんばんは^^)
とても興味深い本です。
和歌山や三重の山奥の林業の村、自分は林業を生業とはしていませんが、代々林業の家庭に育ち、生活の中でその苦労を体験してきています。早速ジャングルで探して来ます!!
by ダミアン88 (2012-11-24 21:01)
>ダミアン88さん
紀伊半島南部の内陸部は訪れたことがないのですが、
きっとこの小説に描かれているような景色が広がっているのかなと、
想像しながら読んでいました。
生活する上で大変なことも多いと思いますが、
穏やかな暮らしがあるのでしょうね。
by つぼっち (2012-11-25 22:49)